「時の魂」 - ホームページを開いた経緯とブログの始まり

 アトリエ〈あゆす〉のホームページは、仕事内容の紹介とともに、そのものが「40年日記」のようなものでもあり、個展会場でもあります。これまで製作してきたものの一部を、人との関わりも含めて追加更新しながら進めてきました。これからも少しずつ加えていく予定でいます。

 昨年2013年に滑川町のギャラリー「かぐや」さんから、これまで作った最初から現在までの作品全体の流れを展示してみませんかというお誘いを受け、16年ぶりの個展をさせていただきました。

   22才から36年間に生まれたたくさんの作品の中には、自分の心の奥に封印していたものもあり、しまいこんでいたものに光と風をあてながら、ひとつひとつの成り立ちを思い出していました。多くの人に見ていただき、暖かいねぎらいや感想、ご批評をいただき、そして展示が終わったあと、心の中で分断されていた光と闇が一つになって、やっと私が私になれたような気がしました。

 人の世界には美しいものも醜いものもあります。私はかわいいもの、透明なもの、美しいと感じたものも表現しようとしてきましたが、人の心の闇や、社会の闇にすむ者、人が目をそむけるようなものの姿を表現する時期も長くありました。それらはすべて私の目から見た社会の現実でしたが、また私の心の反映でもあったのだと思います。 

 昨年の個展の際には、今、私の手元に残っている作品のみの展示でしたので、すでに人にお求めいただいている多くの作品も含めて、残されている写真を通して改めて自分がしてきた仕事を見つめ直してみたいと思いました。そして、〈今〉をつくりあげている時間の堆積、人との縁の連なりを振り返り、再確認することは未来につながっていく大切なことだと思い、このホームページを作り始めました。 

  過去のどんな時間の中にも〈時の魂〉が息づいていて、それは美醜や善悪正否をこえたものとして、ひとつの人生を認めてくれているのだと思います。それが結果として、自分の人生だけでなく、他者の生き方をかけがえのないものとして感じられるようになっていくのではないかと思っています。 

 

 私は来年還暦という大きな一巡りを迎え、おばさんからおばあさんに移行していくと同時に、第二の人生の誕生を迎えます。

 これから始めようとしているこの日々のブログでは、生き生きとした第二の人生を送っている人のことなども時には含め、魅力を感じた身近な人や場所、店、心に残った言葉などを書いていきたいと思います。たまの更新になるとは思いますがよろしくお願いいたします。

 

 


「森の食卓」  (蔦) 長さ3m 1993年作     於古民家ギャラリーかぐや
「森の食卓」  (蔦) 長さ3m 1993年作     於古民家ギャラリーかぐや

 かぐやFacebook  にも作品の紹介をしていただいていますのでご覧ください。